【天声人語】2006年05月25日(木曜日)付 阅读:4716回复:2
電子メールのように印字されたものではない。細かい筆遣いまで見える文面が、どこか新鮮だ。ライブドア前社長·堀江貴文被告の自筆だという文書のコピーを見た。
月日がゆっくりと過ぎる拘置所での生活が「これまでの人生を振り返る良い機会になりました」とある。そして「今まで生き急いできたかなとも思うようになりました」。以前は「人の心はお金で買える」と述べていたが、心境の変化なのか。 起訴事実の否認など、自己主張もしている。以前の目標は「株の時価総額世界一」だったはずだが、文書では「時価総額経営」をしていたつもりはないと述べる。株式会社である以上は利益拡大をめざすべきで、その考えは、事件の前後で変わっていないという。 ライブドアに限らず、利益拡大をめざすのが企業一般だとしても、その度はずれた追求が世の中を激しく揺さぶってきたという面は見逃せない。バブル経済や、はじけた後の不況によるリストラなどで、家計は痛めつけられた。多重債務者や、経済的な理由による自殺も増え、幾つもの偽装問題が起きている。 ドイツの作家ミヒャエル·エンデは「モモ」「はてしない物語」などで日本でも親しまれた。幻想的な作風の中には、文明批判が込められている。 経済と金融システムを、がんに見立てたこともある。「つまり、それは生きつづけるために、常に成長し増殖しなければならないのだ」(「エンデのメモ箱」岩波書店)。利益拡大という果てしない成長にせかされて、生き急ぐ。現代人への、悲痛な警告だ。 朝日新闻社 |
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