【天声人語】2006年05月27日(土曜日)付 阅读:4499回复:2
政府、民主党がそれぞれに出した、教育基本法を改める法案を読む。今の法には無くて双方の案にあるのは、「愛国心」のくだりだけではない。「公共の精神」という言葉が双方とも前文に出てくる。
政府案は「公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期する」とある。民主党案では「公共の精神を大切にする人間の育成」となっている。公共心のある人間を育むことで通じている。 かなり重視していることが分かるし、文案はなかなか立派だ。しかし、公共心が公共の利益を計ったり、公に尽くしたりする心だと考えると、法案を出した側の公共心には疑問がわいてくる。 国会議員らが国政の調査に使う目的で税金から支出される「国政調査活動費」のうち、衆院では02、03年度だけで約5千万円が、高級料亭などでの酒食に使われていた。以前からの慣行だというから、累計では更に膨大な額になるのだろう。 国会を停滞させた民主党の「偽メール事件」も、公共の利益に反するものだった。1億円もの献金を受けた疑惑にまともな説明をしない元首相がいれば、それを党全体の問題と考えない政権党もある。 「憲政の神様」といわれた尾崎行雄は、きちんとした審議をしない議会を「議事堂ではなくて採決堂だ」と批判した(浅野一郎編「国会入門」信山社)。本社の世論調査では、教育基本法について「今の国会では採決をせず、議論を続ける方がよい」が7割を超えた。「愛国心」の審議より前に、育むべき公共の精神とは何かから論議を始めてはどうか。 朝日新闻社 |
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