読書メモ:「長崎ぶらぶら節」(なかにし礼) (七)
あらすじ: 愛八さんは古賀十二郎に自分の家(借りた部屋)に呼ばれ、奥さんの艶子にも合わされ、また古賀十二郎の気が遠くなりそうな沢山の書籍に呆れ返った。 何より、古賀十二郎に「一緒に長崎の古い歌を探そう」と呼ばれる理由を聞かされた。それは、歌は歌詞(文字、文学)と曲(音楽)で構成されるもので、古賀十二郎は歌詞の部分はわかるが、曲の方は愛八さんの力を借りなければならない。そうでないと、研究は無論のこと、古い歌の記録も正確に出来ない。 その理由が分かって、愛八さんはやっと腑に落ちた感じ。 また、くんち(九月九日の祭り)が終わったら、毎週の日曜日を利用してあちこち歩きながら探しましょうと約束した。それに、二人のこんな協力関係を妻の艶子に認めてくれた。 この章の後半は、長崎の祭り「くんち」の状況と雪子(9歳踊り子)の祭りでの出来栄えを詳しく書いたが、本筋と一体どういう関係なのか、今の段階ではちょっと分からない。決して、無駄話になるはずがないを思って、これから、本筋とどういう風にに合流するかを焦ずに見ていきましょう。 ・ 古賀十二郎個人情報の追加: 古賀十二郎の祖父は木村逸斎という海軍軍医で、また蘭学・漢学の学者でもある。木村逸斎の次男豊次郎は万屋古賀豊三郎(子がない)の養子になった。豊次郎が四十七歳で死んで、古賀豊三郎に見込まれ、当時二十六歳、広島中学校の英語の先生だった古賀十二郎(豊次郎の長男)は万屋十二代目の家督を継いだ。古賀豊三郎が六十七歳で亡くなった後、古賀十二郎は上に誰もいないので、すき放題に学問と遊びに走り出した。十六年間で、ついに家財を全部使ってしまって、無一文の身となった。 |
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