きのうは、二十四節気のひとつ「小満(しょうまん)」だった。「草木が茂って天地に満ち始める」ころだ。季節を感じたくて、東京??新宿御苑を歩いた。
高さ15メートルを超すホオノキが、淡い黄白色の大輪の花を咲かせている。甘やかな香りにうっとりする。日本庭園の池では、シラサギが一羽、悠然とたたずんでいた。その横を、カルガモのつがいが通り過ぎていく。 吹き渡る風にそよぐ葉の緑は、深く濃くなったり、浅く淡くなったりする。いったい、目の前には何種類の緑色が広がっているのだろう。若草、萌黄(もえぎ)、松葉、青緑、常磐(ときわ)、若竹色……。心身ともに癒やされる。 100年前の5月に、新宿御苑はできた。かつては皇室専用のゴルフコースが設けられていた。管理事務所の前のヒマラヤスギの近くが1番ティーグラウンドだった。昭和天皇もよく通い、スコアは100を切る腕前だったという。 苑内の温室では、オジギソウが薄紫色の花をつけていた。花もかわいいが、やはり葉っぱが面白い。鳥の羽根のように開いた2~3センチの葉を指で突っつくと、すーっと閉じて下を向く。いかにも、しゅんとしたように見えるが、しばらくすると元に戻る。 その動きを見ながら、ふと小泉首相の発言を思い浮かべてしまった。先月、この御苑で「(桜は)ばっと散るからきれいなんです。私も引き際、散り際を大事にしたい」と述べた。この秋に首相を辞める思いを、桜になぞらえた。でも政治家は続けるのなら、いったん閉じて下を向いても、そのうちにまた開くオジギソウが似つかわしかったりして。 朝日新闻社 |
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板凳#
发布于:2014-12-05 19:53
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