インドネシアのジャワ島の大地震は、日がたつにつれて犠牲者の数が増えている。がれきの下には、まだ多くの人が埋まっているという。重機が乏しく、スコップや素手での作業が続く。
震源から約50キロの所にそびえるムラピ山の動きが不気味だ。火山活動が活発で、今月半ば、政府が周辺住民に避難勧告を出した後、火砕流が起きた。 直接の噴火災害の他、うわさによるパニックが起きる心配もある。大地震で危機にさらされた人々にとって、今後大噴火が起きるかどうかは重大な関心事だ。不安にかられると、デマや憶測に左右されやすくなる。 「いつか大噴火するかも知れない」。これは間違いとは言えない。しかし、「明日噴火する」といった明確な予測は、地震も含めて今の科学にはできない。デマを防ぐには、正確な情報を迅速に届ける必要がある。 ムラピ山は、千年前の1006年に大噴火し数千人が死んだ(理科年表)。その後も噴火を繰り返してきた。しかし、そこで暮らす人たちにとっては、かけがえのない存在なのだろう。周辺には、壮大な仏教寺院跡の世界遺産?ボロブドゥールもある。 「ずっとここに住んでいる。ムラピ山がどうなるか分かっている。心配なんかしていない」。今月中旬、山すその78歳の長老の言葉が、英字紙?ヘラルド朝日に載った。この落ち着きようは、遺跡を流れる悠久の時を思わせる。魅力的だが、大地震では無事だったのだろうかと気に掛かる。ひとりでも多くの命が救えるように、日本からも、より早く、より多くの支援を届けたい。 朝日新闻社 |
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板凳#
发布于:2014-12-05 19:55
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